2025年4月6日よりABCテレビ/テレビ朝日系「日曜ドラマ」枠で放送中の『いつか、ヒーロー』は、児童養護施設のかつての職員・赤山誠司(桐谷健太)が20年ぶりに消息を絶った後、恩師を慕う教え子たちのもとに帰還し、腐敗した権力と対峙する壮大なヒューマンエンターテインメントドラマです。
中でも赤山を追う謎の男・氷室海斗(宮世琉弥)との因縁や、教え子たち5人との再会シーンが視聴者の心をつかんで離しません。
この記事では、ドラマ『いつか、ヒーロー』の魅力と見どころをお届けします。
放送情報

放送局・枠:ABCテレビ/テレビ朝日系 日曜22:15~23:09 朝日放送
放送開始:2025年4月6日~全8話予定
脚本:林宏司
監督:アベラヒデノブ、星野和成、松本喜代美、松浦健志 朝日放送
主演・桐谷健太が演じる赤山誠司――“父親代わり”の職員の別れと復活
赤山誠司は、児童養護施設「希望の道」で長年にわたり子どもたちを支えた“もう一人の父親”でした。

しかしある日、不審な事件をきっかけに忽然と姿を消し、以降20年間、行方不明となります。桐谷健太さんは、当時まだ若かった誠司の“熱血さ”と、帰還後の“影を背負った大人”という二面性を見事に演じ分けています。
- 過去編シーンでは、誠司が虐待を受ける子どもを救うために身を挺し、施設内の窓ガラスを拳で叩き割る熱演が話題に。
- 現在編シーンでは、やつれた顔と憔悴した声色で「おまえたちを見捨てられなかった」と語り、視聴者の涙を誘います。
- インタビューでは桐谷さん自身も「自分の息子を想像しながら演じた」と語り、父性の重みを表現するために実際に児童養護施設を訪問したと言います。
20年の歳月を経た“老成と熱血”を同時に併せ持つ難役を体現する桐谷健太の演技は、本作最大の魅力の一つです。
謎の男・氷室海斗(宮世琉弥)の怪演――記憶を失った教え子の悲劇的存在
氷室海斗は、誠司のかつての教え子でありながら“正体不明の敵”として立ちはだかります。
宮世琉弥さんは、端正なルックスと鋭い目つきで冷徹なサイコパスを演じつつ、節々に「あの日の思い出」を匂わせます。
- 第2話冒頭の公園シーンでは、誠司と同じ歌を口ずさみながら後ろ姿で現れ、「覚えていないのか?」と問いかける衝撃の再会。
- 第4話では、誠司が施設を追われる直接の原因となった事件の真相を微笑みながら語り、その冷淡さと幼い記憶が交錯する演技にゾクリとする視聴者が続出。
- 宮世さん自身は「普段は穏やかな性格だが、氷室には人間の“暗い部分”を吐き出すように演じた」と語り、役作りのために心理学の文献を読み込んだそうです。
その“二重人格”ともいえる氷室の怪演が、赤山誠司との“20年の確執”を軸に物語を牽引しています。
4. 5人の教え子とベテラン陣が支える人間ドラマ
物語を深めるのは、赤山が育てた5人の教え子と、施設長・要蔵を演じるでんでんさんらベテランの存在です。
- 長濱ねる(樋口ゆかり役)
- 〜結婚詐欺師に騙され人生を見失った過去〜
- 第3話で誠司がゆかりの借金返済を助けるシーンは感動必至。
- 泉澤祐希(野々村颯太役)
- 〜元暴走族のリーダー、今は飲食店経営者〜
- 第5話のバイクチェイスでは、桐谷健太さんとの息の合ったアクション演技が見どころ。
- 曽田陵介(瑠生役)
- 〜天才ヴァイオリニストという夢を絶たれた苦悩〜
- 瑠生が“音楽の力”で誠司の危機を救う第6話は号泣シーン。
- 星乃夢奈(いぶき役)
- 〜引きこもりから高校教師へ再生した意志の強さ〜
- 誠司の帰還で“教え子から教え導く教師”へと役どころが逆転。
- 駒木根葵汰(中村翔役)
- 〜政治家の息子として“特権階級”に嫌悪感を抱く葛藤〜
- 第7話クライマックスで、翔が「権力とは何か」を誠司と討論する名シーン。
そして、 でんでん(大原要蔵役) は、施設長として職を賭して権力の隠蔽と戦います。ベテラン陣が物語に“深み”と“重み”を与え、ドラマ全体の完成度を高めています。
5. 社会派エンタメ×ヒューマンドラマ――官能と推理が交錯する深いテーマ
『いつか、ヒーロー』の魅力は、単なる復讐劇にとどまらず、社会問題や人間の再生を描く点にあります。
- 社会派エンタメ:施設運営の闇、市役所や警察の腐敗、政財界の癒着など、全国的に問題視されるテーマを盛り込み。
- ヒューマンドラマ:教え子たちそれぞれが抱えるトラウマと向き合い、他者との絆を再構築していく“再生の物語”。
- 官能要素:岸辺でビールを酌み交わすゆかりと誠司の大人の会話、第6話の夜のピアノ独奏シーンなど、官能的な演出が随所に。
- 推理要素:氷室の正体を探るサスペンス的な謎解きパートは、脚本・林宏司氏の緻密な構成によるもの。
これらが絶妙にブレンドされ、視聴者は“なぜ赤山は去ったのか”“なぜ氷室は彼を憎むのか”という問いに引き込まれます。
6. まとめ
この記事では、ドラマ『いつか、ヒーロー』の魅力と見どころをお届けしました。
『いつか、ヒーロー』は、桐谷健太さん×宮世琉弥さんの緊張感あふれる主役対決と、長濱ねるさんや泉澤祐希さんら若手教え子、でんでんさんらベテラン陣の熱演が融合し、“痛快&感動の復讐エンターテインメント”を実現しています。
社会派エンタメの鋭さとヒューマンドラマの温かさが融合し、視聴者の心に強く残る作品です。最終回まで展開のひとつひとつを見逃せない、今期必見のドラマと言えるでしょう。